もとキャビンアテンダントの美月あきこさんの著書です。ファーストクラスの料金はエコノミーの割引価格の約20倍だそうです。
この著書の中で、美月さんはファーストクラスの常連客でも、とくに創業社長たちに注目して、その方達のマナー、習慣、品格、発想をまとめていらっしゃいます。
世界的な不況の波にさらされた現在でも、当たり前のようにファーストクラスにお乗りになっている創業社長は、本物の正攻法を身につけているそうです。
ファーストクラスに乗られる方は感謝上手な方がとても多いそうです。以下は本からの引用です。
ファーストクラスに乗る創業者たちは、当たり前のことを自然に続けてきた人ばかりで
す。
誰かに親切にしてもらったら、「ありがとう」という言葉で感謝の気持ちを伝えますよね。ごく当たり前のことです。でも、常にそれを続けている人は、じつは少ないのではないでしょうか。事実、ファーストクラス以外のクラスでは、あまり多く見かけませんでした。
ファーストクラスでは、何かを配るたびに「ありがとう」とひと言添えながら受け取っ
てくださいます。これを私は「受け取り上手」と呼んでいました。
「あリがとう」のひと言で相手を巻き込む
ファーストクラスのお客様は、飛行機から降りる時に、CA(キャビンアテンダント)に「ありがとう」「お疲れ様」とひと声かけてくださいます。
これは、CAの立場を認めてくださっているということです。本当のビジネスエリートは、「あなたがいたから、これができた」と、表舞台に出ていない人にもきちんと感謝の気持ちを伝えます。これは、仕事の能力やスキルとは別次元の「人間性」の問題になってきます。
特にゼロからスタートした創業社長は、相手の立場、地位、仕事ぶりを認めたうえで、人に接してこられたのだなあ、とリアルに想像できます。人の気持ちがわかる人とわからない人とでは、仕事の結果に大きな違いが出てくると思います。
成功している人は「巻き込み名人」です。他人を自身の魅力で上手に巻き込み、ファンにするということです。この人を応援してあげようと考える人が1人、2人と増えていったことも、名だたる創業者たちの成功の要因ではないか、と私は考えています。その時のキーワードが、「ありがとう」ではないでしょうか。
著書の美月さんも感謝名人です。会った人にはその日のうちにお礼状カードを出すそうです。予め、切手を貼ったお礼状カードを、バックの中にいれているそうです。そのカードに、読書などで心に残った印象的なメッセージと相手に届けたい感謝の言葉を添えるそうです。