社会的成功というのは、人間的に優れていなくても可能です。
お金もうけの知性があれば、人は誰でも社会的成功者になれます。このお金もうけの知性というのは、優先順位の一番が「自分」ということです。成功するには他者に勝つ必要があるからです。
ところが、もう一つの“成功”というものが人生には存在します。それは人間的成功です。
これは社会的成功に相反するものです。なぜなら、他者に勝つのではなく、その反対に他者を受け入れることだからです。
だから優先順位の一番は「自分」でなく「他人」なのです。私は、この社会的成功と人間的成功の両方を成し遂げることこそ、真の意味での成功、理想の成功だと思います。
社会的成功と人間的成功の両方を可能にする力、それを私は「他喜力」と名付けてみました。読んで字ののごとし、他人を喜ばせようとする力です。
そのいちばんわかりやすい例は、親の子に対する愛です。無条件の絶対的な愛で子を育み、できることなら世の中の辛いことすべてから守ってあげたいという気持ち。それは「他喜力」の原型です。
自分のためにがんばるのが社会的成功への道だとしたら、他人のためにがんばる「他喜力」は、社会的成功に人間的成功を結びつけるものだと私は思います。
8つの実話が教えてくれた「最幸の法則」 西田文郎 著 より引用