「最善主義が道を拓く」タル・ベン・シャハー著に感謝に関してとても興味深い話しが載っていました。感謝の手紙を書いて、その人を訪問してそれを読むというとても簡単なことですが、普段なかなかできないことです。以下は本よりの引用です(中略含みます)
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心理学者のセリグマンはポジティブ心理学の講義に「感謝訪問エクササイズ」を取り入れたそうです。
それは、何らかの形で自分を肋けてくれた人に感謝の気持ちを伝える手紙を書いて、その人の家を訪問し、当人の前で手紙を読みあげるよう、学生たちに指示したのです。
セリグマンと学生たちによって報告された、このエクササイズの効果は、驚くべきものでした(のちの再調査でもしっかり確認されています)。感謝した者、された者、さらにふたりの関係にも、好ましい効果が表われたのです。
私も同様のエクササイズを自分のクラスの学生たちに課し、学生の報告を問いて涙が出るほど感動したことがよくありました。息子をハグした父親 それはこの10年以上たえてなかっかことでした。何年も前に終わったと思われていた友情の復活。感謝訪問を受けて何歳も若返ったように見えた老コーチ。感謝の力は絶大です。
感謝を表現する方法はたくさんありますが、感謝訪問は他に類を見ないユニークなものです。
第1に、手紙を書くというだけで(届けない場合でも)書き手の幸せは向上します。
第2に、受け手は、書き千加手紙を書くことに費やした時間と努力を知って、自分は大切に思われているのだと感じることができます。
第3に、訪問そのものが、じかのふれ合いの機会となり、この感謝の受け渡しという経験を強めます。
そして最後に、手紙がずっと残るということで、受け手はそれを読み直し感謝を再体験することができます。こうして、手紙を携えてのたった1度の訪問が、長期にわたって効果を発揮することになります。
感謝の手紙というのは、受け手にとっては自分の成功を思い出す機会にもなります。そして、
そのような手紙の受け渡しによって生まれる感情は、自己最高の成功を遂成したあとの感情に劣
らないほど強烈でポジティブなものになることが多いのです。
感謝の手紙は1通でも幸せのレベルを押し上げますが、書き手にとってはふつう、この急上昇
は一時的なものにとどまります。感謝の手紙と訪問の効果を長もちさせるためには、それを定期
的に行うようにしないといけません。手紙を毎週、隔週、いや1カ月に1通書くだけでも、大き
な効果が期待できます。
自分が成し遂げたことを取るに足りない当然のことと考えずに、ここまでやってこられたこと
に感謝の念をもつと、成功をさらに呼びこむことができます。他人、親、同僚、パートナー、教師、友人に感謝をはっきりと伝える人が増えれば、世界のよいことも増えることでしょう。
キケロが言うように「感謝は最高の美徳であるだけでなく、他のすべての美徳を生みだす源でもある」のです。
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偶然ですが、感謝のカードを先日会社の同僚(アメリカ人)からもらいました。とても嬉しく何度も読み直しました。読みなおしているうちに、そのカードに自分が持っている長所・強みというか、特質に関して確認することができました。
感動エネルギーを出せるだけでなく、その人の強みも見つける機会も促す、感謝の手紙。
自分ももっと頻繁に出すようにしようと思います。