ケニアでボランティア活動していた頃、一部のお役人達が賄賂を要求したり不正を働く事に対し日本人ボランティア達は憤りを感じていた。
そりゃそうだ。国が発展するのにお役に立てればと遥々やってきたのに、その妨げとなるような私利私欲に走るお役人はテレビ時代劇に出てくる悪役そのもので、桃太郎侍や水戸黄門が成敗してくれない現実では、皆で悪口言うぐらいしかなかった。
あるとき同期隊員に「もし自分たちが彼らの立場だったら同じ事をしてしまうのではないだろうか」と疑問を投げかけられた。
「え〜、どう考えたって奴らは悪者で、情状酌量の余地なんかない!そんな奴等と同じ事を自分達がするはず無いじゃなか!」とその時は思った。
しかし、ケニアのお役人になった事想像し、回りの人間が不正を行っている中で果たして自分は清廉潔白でいられるだろうか?不正を思いとどまらす価値観や信条は?
相手の立場で考えてみたら軽蔑していた彼らと同じ事を自分がやらない理由が見つからず、それまで抱いていた彼らに対する感情が氷解した。これが「罪を憎んで人を憎まず」か!
怒りを相手にぶつけ、相手が自分の思う方向に変わってくれれば怒った甲斐もあるものだが、愛を伴う怒り以外で他人を変える事が難しいのは世の常識だ。怒って自分の体に毒を溜めても周りの人から気の毒がられるぐらいで得なことは何もない。
想像力を働かし、相手の立場に立つという積極的な心の使い方は不毛な怒りを起こさせないのに有効な手段。私はあの時以来習慣になって、だいぶ得していると思います。
悪役の皆さんには感謝かもしれないです。
1 件のコメント:
すばらしい!
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